企業の会計というとでてくるのが、

貸借対照表
損益計算書
キャッシュフロー計算書

の、いわゆる財務三表。

この間の関係が分からないんだよなー、というときにチェックしたいのがこちら。

國貞 克則著、決算書がスラスラわかる 財務3表一体理解法 (朝日新書 44)

評価は

★★★★☆ (購入して読む価値あり)(評価の基準はこちら)

本来は簿記を勉強しなければ分からない、お金の出入り(PL)を会社のストック(BS)に変換するという概念を、「仕訳」を知らない人にも解説しているのが嬉しいところ。第三章の途中(139p)までは、誰もが読みたいものです。

が、そのあとになると、フツーのビジネスマンにはちょっと難しいかな、というのが正直な感想。もしくは、対象としているのは経理部や財務部などの、ある程度会計に対する専門的な知見を必要とされる人ではないでしょうか。実際、著者もMBAで勉強したときにはわかっていなかったといっているので、ゼネラル・マネジメントを思考する人にはここまでの知識はいらないんじゃないか、という仮説は成り立ちますね。

会計の中級者から上級者へとステップアップしたい人にはとくにお薦めです。

以下、ポイントを。

●財務三表はつながっている
お金を集める(BSの右)→投資する(BSの左)→利益を上げる(PL)

●できるビジネスマンになる
「会計の話になると口をつぐんだり、質問を躊躇したりと言った、いままでの屈辱的な状態から解放されます」
事業計画書のレベルが上がる
取引先の与信管理
時価会計、減損会計、税効果会計などが分かる

●コスト感覚が身に付くPLの見方
下から見る(営業利益1%を生みだすためには、どのくらいの売上が必要か、など)

●注意書き
これから説明する財務3表の様式は、3表の「つながり」を理解することを主眼にしてつくられています。従って、一部、会計基準や法令党に則っていない点があります。

●財務会計と管理会計
「管理会計は、各会社の経営者の必要に応じてさまざまな会計情報が創り出されます。(中略) 一つは将来のための「計画会計」で、もう一つは実績を把握したり管理したりするために使う「統制会計」です。

●TKC全国会のHPから標準値のデータを入手できる
http://www.tkc.jp/

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